特定小型原付対応モデルは、2023年7月から発表発売されており、当初は電動キックボード型がほとんどでしたが、自転車型やバイク型、そして発表販売モデル数は少ないですが、3輪型、4輪型など、好みに合わせたスタイル、タイプが各社から発売されてきました。
購入を検討している段階でそれぞれのメーカーサイトやパンフレット、そして販売店などで見ることができるスペックについて、これどういう意味?この数値ってどう?という疑問も出てこられるかと思います。
各社それぞれ工夫をこらしてモデル開発や発表をしていますので、良い悪いということではありませんが、スペック表の見方や、どういった基準で選ぶのが良さそうかなどを説明させていただきます。
悩んでいる特定小型原付の比較にも参考になると思います。
特定小型原付の比較の第一歩、スペックの見方
まず、各モデルの仕様とスペックを比較してみましょう。
各メーカーが慎重に選定したモデル仕様ではありますが、どのモデルも長所と短所が存在します。
皆さんがどのスペックを優先するか、その点を考慮することが大切です。
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特定小型原付 選ぶポイント! 基本情報編
画像引用:特定小型原付を電動キックボード型、自転車/バイク型の2タイプで出しているメーカー
SWALLOW(公式サイト)
スタイル・タイプ
どんなスタイル・タイプが良いかは好みに分かれると思いますが、主に主流なのは電動キックボード型と自転車型、そしてバイク型です。
電動キックボードタイプは、タイヤが小さく、運転時にハンドルを少し曲げるだけでダイレクトに伝わえるので、なれないとフラふたしてしまうこともあります。また立って乗るスタイルのため(椅子ありもあり)、そもそも長距離には向きません。
自転車型は、かなり一般自転車に近い形状で、いわゆるママチャリではなくアシスト自転車の小型版。に近い感じですかね。
見た目的には、モペットと呼ばれるフル電動自転車(原付扱い)に一番近いです。
またがる部分のフレームが低ければ、スカートでも乗ることが可能です。
タイヤも大きく運転時の安定性はかなりあります。
バイク型は、特定小型原付の使用基準でもある大きさの影響もあって、バイクに近い形状にはできますが、どうしても小型なため色々な部分でメーカーがデザインに関して苦労しています。
タンクからシート部分の再現が難しいようです。
自転車型同様、タイヤも大きく運転時の安定性はかなりあります。
メーカー・ブランド
複数台、特定小型原付を販売しているところはまだ少ないですが、特定小型原付以外(一般原付)などを販売しているところも実績があり信頼できると思います。
あとは、販売店網がしっかりしているかどうかは、アフターサービスにも影響しますので、重要な部分です。
どうしてもモデル自体を国内開発製造というのもなかなか難しく、海外からの輸入に頼る部分もありますが、その会社のアフターサービスがしっかりしているかどうかを見極めましょう。
購入時に、実店舗なら、そこで面倒見てくれるかどうか。インターネットならきちんと問い合わせ先が書いてあるかどうか、また購入前に簡単な質問をしてみて、そこのサポート対応を感じてみる。というのも良いかもしれません。
価格
高いから良い。ということもないですし、安いから悪い。ということでもないと思います。
まずは、ご自身のご予算範囲を決めた上で、モデルを探してみると良いでしょう。
特定小型原付 選ぶポイント! スペック編
画像引用:SWALLOW(公式サイト)
電動定格出力
特定小型原付の性能において、電動定格出力はそもそものパワーとなる部分です。
最高速度が20km/h以下と決められていますが、エンジンパワーがあると、例えば坂道でも余裕を持って走行することができるでしょうし、逆に非力なパワーだと、弱々しいスピードで登ることになったりします。
低いものは250W、最大で特定小型原付は600Wとなっています。
大きければ大きいほどよいのですが、価格にも大きく影響します。
また、大きければそれだけバッテリーを使いますので、バッテリーの持ちにも影響します。
走行モード
最高速度は20km/hと決められている特定小型原付ですが、走行モードで6km/hを最高速度に設定できるモデルは、「特例特定小型原付」という分類にもなり、限られた歩道を走行できるようになります。
この歩道走行モードの有無も、モデルにより違います。
6km/hで歩道を走行するというのは、思ったより遅い目です。
わざわざ歩道走行する必要はなさそうですが、ご自身の行動範囲で歩道をしばらく走行しなければいけない経路の場合には検討しましょう。
歩道ではなく、車道を走行できる場合には、そのほうが良いかもしれません。
最大航続距離
充電を満タンにして、各社規定が違いますが、何キロ走行できるか。という数値です。
体重も影響しますし、平地かどうか、風向きなども影響します。
もちろん長く走行できる方が良いですが、バッテリーの容量も必要ですし、容量が大きくなると重くなります。
また、スマホのようにバッテリー容量はだんだん減ってきますので、この距離も変わってきます。
注意いただきたいのが、満タンスタートでも往復を考えると半分までの行動範囲になります。
自身の行動範囲(通勤や通学、簡易買い物など)も一度距離を調べるほうが良いと思います。
登坂性能
これも、各メーカーの計測基準がバラバラなので判断が難しいですが、どの角度までの坂道が登れるのか。という数値になります。
メーカーにより、「度」ではなく勾配として「%」で表示しているメーカーもあります。
「度」と「%」が同じ数値でも違いますので、ご注意ください。
参考 登坂10度の勾配は約17.6%です。
特定小型原付 選ぶポイント! 装備編
画像引用:SWALLOW(公式サイト)
タイヤサイズ
タイヤサイズについて、一般的にはインチで表示されます。
電動キックボードの小さいものでは8インチ。自転車型/バイク型だと20インチを超えるものもあります。
見た目も当然変わりますが、走行時の安定性に影響します。
小さい方がハンドルの傾きの反応が大きくて揺れることも大きいです。
また、段差に載った場合のショック軽減にも影響し、大きいインチのほうがショックが少ないです。
タイヤ構造
一般的な自転車で使われている空気を入れるタイプもありますし、チューブレスタイヤと呼ばれていますがノンパンク(ノーパンク)もあります。
メーカーによりますが、オプション販売で構造の違うタイヤを売っている場合もあります。
どちらが標準であっても、状況により帰ることができたりします。
空気タイヤは、もちろんパンクすることもあります。その場合、近くの販売店や、形状が簡単なものですと、見ず知らずの自転車屋さんでも可能な場合があります。※モデルによります。
もちろん費用もかかりますし、近くのどこでもパンク修理できない。ということもあるかもしれません。
パンクによる傷が深い場合には、チューブを新しくする必要がありますが、専用のチューブをメーカーから取り寄せる必要もあります。そのあたりも対応してくれるメーカーなのかどうかも事前チェックが必要です。
ノーパンクタイヤだと、パンクの心配はありませんが、一般的に段差などによりショックが大きい傾向があり乗り心地にも影響します。※モデルによります。
最後に簡単に、ワイドタイヤ、ファットタイヤと呼ばれるものもあります。
安定性能は太いほうが安定しますが、これだけを選択肢にするほどのメリットは少ないかもしれません。
サスペンション
乗り心地に影響するもので、段差などのショックを吸収し柔らかくする機能です。
電動キックボード型では構造上、フロントだけしか付いていないものも多いですが、自転車型/バイク型などではフロントとリア両方についていることが多いです。
もちろん付いていたほうが、衝撃が少なく乗ることができ、ハンドルを持っている手、腕、肩などがサスペンションの影響で痛くならないです。
ブレーキ
自転車のように前輪、後輪を別々に制御します。
殆どが自転車のように、ハンドルの左右にレバー形式で握るような感じです。
ブレーキにも種類があり、主にドラムブレーキとディスクブレーキの2形式になります。
フロントリアで別れている場合もありますし、どちらも同じ形式の場合もあります。
どちらが良いということはありませんが、ディスクブレーキのほうが放熱性に優れており、安定した制動力が得られるとされています。ディスクブレーキは更に細かく機械式と電子式の2種類あり、電子式はメーカー独自制御のため、修理などではメーカー対応が必要になる。機械式は構造が比較的簡単なため、販売店などでの修理やメンテナンスが可能な場合もあります。
ただ、電子式のほうが制御性能は優れています。
防水性能
完全防水の特定小型原付というのは、発売されていませんし、今後も難しいかしれません。
ただし、防水・防塵規格があるモデル発表されています。
防水・防塵規格には、等級がそれぞれ設定されており、どれぐらいの防水・防塵に対応できるのかというものが明確になっています。
国際電気標準会議(IEC)が定めたIEC60529規格に基づいています。
等級自体は4桁で表されており、「IP」のあとに2桁で性能が表されます。
例えば、「IP45」だと、防塵レベルが「4」防水レベルが「5」ということになります。
数字が大きいほど性能が良いことになります。ちなみに「5」レベルだと「あらゆる方向から噴流水を当てても有害な影響を及ぼさない」というレベルになります。
その中で、「X」で表されている場合があります。「IPX4」など。この場合防塵レベルが「X」となり、「X」は、その性能を省略していることを表しています。大抵の場合、未試験ということになります。
どのような防水防塵性能があるモデルであれ、急に雨が降り出した場合は多少仕方ないですが、安全運転のためには、雨天での走行はやめるようにしましょう。
第1回は、ここまでとなります。特定小型原付を購入検討する際に、当サイトや、もちろんメーカーサイトの欲しそうなモデルを調べることがあると思いますが、このページの情報を元に、ご自身に最適な1台をお探しください。
後編は、こちら!
バッテリーや車体(ボディ)の数値の見方、それから安心面などについても解説。